2014年 02月 09日

45年前の大雪

今回の積雪量は45年ぶりだったそうです。

45年前のその雪は、

母の誕生日の翌日に降ったそうです。

母の誕生日、母と父が住んでいたアパートが不審火で火事になり、

生後10カ月の私だけ抱いて、素足でアパートを命からがら飛び出し、

警察で借りたスリッパを履いて、私をおんぶして、雪の中、現場検証をしたそうです。

父が、裸足の母のために、買ってきた長靴が小さくて、

それでも素足でスリッパよりはいいだろうと、つま先を丸めながら、長い時間、現場検証に立ち会い、

寒くて、寒くて、心細くて、すべて丸焼けになってしまったアパートの部屋を見つめて、

途方に暮れていたとき、背中におんぶしていた私が激しく泣くので、

おんぶ紐から外して胸の中に抱こうとしたとき、

母の顔を見て、ニッコリ笑ったそうで。

”この子のために頑張らなくちゃ。”

”がんばって生きなくちゃ!”と思ったそうです。

そんな話を、改めて朝食のとき、母が話しだし、

この話は、小さいころから聞かされてきたけれども、

今日は、母は食卓の窓から見える、真っ白な雪を眺めながら、感慨深くなってしまったのか、

子供のようにオイオイ泣き、

「火事のあとね、お見舞い金で、何を買おうかって話になって、私が洗濯機を買いたいって言ったのよ。
だって、あのときは、ベビー服も焼けちゃって、よそ様から頂いたものが数枚あるだけで、紙おむつのない
時代だったから、布おむつでしょう? それもたくさん枚数があるわけじゃなかったのよ。
だから、洗濯機が欲しいっていったの。 そしたらね、パパが、”お前は贅沢だ。
昔はみんな手で洗濯したんだ。こういう状況でも、そんな洗濯機が欲しいなんて、贅沢だ。”
そう私に言ったのよ。もう悔しくって悔しくって。 洗濯機を買うなら、冷蔵庫買えってパパが言ったのよ。
冷蔵庫なんて、毎日買い物に行けば事足りる。 何よりも洗濯機だっていう私を、パパと叔母が
二人で責めたの。そのときね、パパと一緒に暮らしていけるか自信なくなっちゃったの。」

一気に、前でパンを食べながら、雪を眺めていた父にそう言って、泣きだした母。

「ごめんね。 俺、あのあと、言わなかったけれど、反省していたんだよ。」

父の、”ごめんね” を聞いて、さらにワンワンないて、

そのうち、泣き笑いになって、

「やだ、私。 今頃こんなに、泣いちゃうなんて。」



雪かきも大変だったし、食材の買いものも大変だったし、

灯油が切れて、部屋の中は寒いし、息子は電車止まって帰ってきたのも深夜で、

私はなかなか寝られなかったし、とんだ大雪だったけれど、

母と父が、とても苦労を重ねながら、今という生活を築いてくれたこと、

母が今も元気で、父にそんな怒りを、45年経って改めてぶつけて、

父が謝って・・・、 なんだかすごく幸せに包まれることができました。


以上、備忘録として残しておきます・・。
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by xxluffyxx | 2014-02-09 18:13 | diary | Comments(4)
Commented by kaori40712007 at 2014-02-09 20:54
お母様、本当に大変な想いで愛娘を守り通されたのだなと涙が出ました。こういう時の男は情けない・・・(お父様ごめんなさい)。内も生後6か月の娘を阪神大震災で守り通したのは私で、夫は当てにならないどころか情けなかったです(笑)。お産も流産も、ひどいこと続きでした(笑)。お父様、素直に謝られたの、とても素敵ですよ。「ごめんね。」で全て水に流せるのが夫婦。「雪」は人の心もまっさらにしてくれる力を持っているのかも。これから先ご両親仲睦ましく添い遂げられるでしょうし、お二人の絆を繋ぎとめたのは他でもない貴女様で、素敵なご家族だと微笑ましいです。内の母は、父亡き後、仏壇に向かって昔の父の情けなさを愚痴ったりしてます。生きてる間に言えなかったみたい(笑)。夫婦って面白いですね。
積雪で大変でしょうが、どうぞご自愛くださいね。
Commented by xxluffyxx at 2014-02-09 22:23
ありがとうございます。45年間、ずっと覚えていたわけでとなく、むしろ忘れてた年月のほうが長かったと思いますが、母としては、ずっとそのことが、悔しかったのでしょうね。その怒りをぶつけられて謝れるくらい、父も成長したのかも?(笑)。
Commented by hairpriori at 2014-02-10 07:59
みんなそれぞれ色々あるでしょうね・・
Commented by xxluffyxx at 2014-02-11 08:58
そうですね。
長く生きてる分歴史は深いですね。


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